よろしく千萬あるべし 焼酎ハイボール
昼間はジリジリする夏の陽気を感じる4月の夕方。
30歳男二人が関東における安酒のみの定番「日高屋飲み」のために秋葉原に集合、その火ぶたが切って落とされた。
そこは海外旅行者の定番スポット秋葉原、オタクはもちろん外国人でごった返す場所にある日高屋だ。店内も国際色豊かで、お客の半分以上は外国人観光客、そして店員もすべて外国人ということで日本語が聞こえる異文化空間という秋葉原ならではのカオス状態だ。
とりあえずビールで
ということもなくまずはハイボールで乾杯。濃くなく薄くないいい塩梅のハイボール。ビールと違って入れる人によって味が変わるハイボールはある意味くじ引きを引くようなワクワク感がある。
すこし薄い?
一緒にハイボールを飲む友達は物足りなさを感じていたが、俺にはちょうどいい。濃いハイボールはすぐ酔えるがアルコールをダイレクトに感じるので飲むのが辛いのである。20代前半ではどれだけ濃いものが飲めるかということに主眼を置いていたが気が付けば三十路。自然と体がうす味を求めているのかと寂しい気持ちでハイボールを口に運ぶ。
と題名からほど遠い話を始めてしまったがここで軌道修正
飲んで食べて満足したのでそのまま東京駅まで歩こうということで神田を通り東京駅に近づく道中に閉店の音楽が流れる明治屋が目に入った。
せっかくだしといことでぶらぶら店内を物色している中、見つけたのが例の焼酎ハイボールだ。
「八海山 よろしく千萬あるべし 焼酎ハイボール」
販売は皆さんご存知、新潟の名「八海山」
製造はセブンイレブンのPB缶チューハイを手掛けるアシードブリュー
アルコール度数は缶酎ハイでありながらの12%と圧倒的な度数を誇っている。酒飲みのための酒だ。
米焼酎をベースにレモン、ゆずで爽やかな風味を加え、はちみつで甘みをプラスしている。
私は以前鹿児島ハイボールという芋焼酎のハイボールを飲んだことがあるが、あれは衝撃的だった。正直もう2度と関わりたくないという気持ちにさせてくれる稀有なものだった。
もしかしてあの時と同じでは…と恐る恐る口にした瞬間、フレッシュな香りと独特の甘みが唇から口いっぱいに広がってきた。
お?これはおいしいのでは?
そう期待をさせてくれる酒に、一口、二口と口に含めるにつれ飲むスピードがどんどん遅くなる。
さすが、12%酔いが回るのが早いなんてことを考えることもなく結論は出ていた。
やはりおいしくないじゃないか!!
とっさに出てきたのは子供のころに飲んだ液体の薬だ、もしくはアミノバリューだ。
単純にまずいというのは簡単だが、単に合うあわないがはっきり出るお酒であることは間違いない。
甲類焼酎とは違い、風味がある焼酎にフレーバーや、味をプラスしているので独特な味わいになるのは予想できる。
これを面白いと思えるキャパシティーが私にはなかったのかもしれない。
これも一つのの出会い。これに懲りずに焼酎ハイボールがあればまた手に取るつもりだ。
新しい酒に乾杯!!